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生物時計の生態学
種生物学シリーズ
リズムを刻む生物の世界

詳細内容

種生物学会 編  新田梢・陶山佳久 責任編集 / A5判 / 260ページ
ISBN 978-4-8299-6206-0  2015年12月14日発売
定価4,180円(本体3,800円+10%税)
私たち人間も含め、地球上の多くの生物は、“概日リズム"とよばれる、ほぼ24時間周期の生体リズムを持っている。これは、地球の自転がもたらす昼夜のサ イクルに適応して進化したものと考えられる。しかし、生物が刻むリズムはこれだけではない。かれらの示すリズムには、どんなものがあるのだろう? なぜ、そんなリズムを持つのだろう?

月の満ち欠け、潮の満ち引き、数十年単位のサイクル、一緒に暮らすなかまとの関係など、さまざまな時間軸・空間スケールで展開する生物たちの多様なリズムと、その解明に挑む研究法を紹介する。

内容確認

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目次

はじめに 時とリズムと生態学  新田 梢・陶山 佳久

第1部 さまざまな生物のさまざまな周期
第1章 48年周期で咲いて生まれ変わるタケ  陶山 佳久
第2章 月の満ち欠けとオオミズナギドリの行動変化  山本 誉士
第3章 潮をよむ虫—マングローブに棲むコオロギと潮の満ち引き—  佐藤 綾
第4章 時を測るミツバチ:コロニーの活動リズムはどのように決まるのか  渕側 太郎
第5章 体内時計の回るスピードの違い:アズキゾウムシの概日リズムの遺伝的変異および発育時間との関係  原野 智広
コラム1 一斉開花:多様な種が同調して刻む繁殖リズム  佐竹 暁子・沼田 真也・谷 尚樹・市栄 智明

第2部 植物がリズムを刻むしくみ
第6章 多振動子系としてみた植物の概日時計システム  福田 弘和
第7章 短日植物イネが夏至の頃に花芽形成を起こす!? —光周性花芽形成能の生物学的意義について—  井澤 毅
第8章 開花季節の調節における気温の記憶:気象と分子生物学からみた生物機能の頑健性  工藤 洋・永野 惇

第3部 生殖隔離にかかわる生物リズム
第9章 季節性の違いによって生じる冬尺蛾の種分化  山本 哲史
第10章 夜咲きの進化:ハマカンゾウとキスゲに関する理論的研究  松本 知高
コラム2 生態学研究における開花フェノロジーの重要性  工藤 岳
コラム3 コオロギの鳴き声による交配前隔離:パルスペリオドの重要性  角(本田)恵理

第4部 生物リズムの研究法
第11章 数理学的アプローチから解き明かされる植物の巧みなデンプンマネジメントとリズムの役割  佐竹 暁子
コラム4 生物リズムを学び楽しむために  伊藤 浩史
コラム5 実験データからどうすれば周期や位相を求められるのか  粕川 雄也
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