商品詳細

生態学が語る東日本大震災
自然界に何が起きたのか

詳細内容

日本生態学会東北地区会 編 / A5判 / 200ページ
ISBN 978-4-8299-7104-8  2016年3月11日発売
定価2,420円(本体2,200円+10%税)
東日本大震災から早5年。地震と津波が環境に与えた「攪乱」の結果、そこに生育・生息する生物が受けた影響とは何か。実際に現地調査を行った専門家25人が、生態学の立場から様々な生物の事例を挙げ、読み解き、提言する。

内容確認

目次
はじめに
一覧地図
東北地方太平洋沖地震の震度/本書にでてくる地名一覧(青森県・岩手県・宮城県・福島県)/東日本大震災による津波浸水高と地盤沈下量

第1部 自然災害と生物多様性
1 自然災害と生物多様性―日本と世界の事例から
2 宇宙からの目がとらえた津波前後の沿岸生態系の変化

第2部 干潟や岩場の生き物
3 津波でわかった生物群集の成因
4 干潟の底生動物レッドリスト種は大津波を乗り越えられたのか
5 津波によって蒲生干潟はどう変わったか
6 泥の中にすむ多毛類
7 カキから考える海洋生物にとっての地震・津波の意味
8 干潟の貝類はどう変わったか―15年間にわたる宮城県東名浜の定点観測の結果より
9 磯の生き物たちと東日本大震災
10 干潟にたくさんいた巻貝がいなくなった
11 新しい干潟が教えてくれたこと
12 リアス海岸の干潟の底生動物は震災発生後にどうなったのか

第3部 砂浜・海崖・海岸林
13 海岸砂丘植生に及ぼす津波のインパクト
14 津波を受けた砂浜植生の回復と埋土種子集団
15 海辺にすむ甲虫類は今どうなっているか
16 巨大津波が砂浜に生息するハチたちに何をもたらしたか
17 津波による海崖植物の変化
18 津波後の海岸林に残された生物学的遺産

第4部 里の生き物
19 津波後の湿地によみがえった花
20 津波震災で誕生した大槌町イトヨの新集団とその保全
21 福島県の沿岸域における両生類への影響
22 原発事故で飛散した放射性セシウムによるイノシシ肉の汚染― 栃木県八溝地域の事例から

第5部 復旧・復興事業と生態系
23 津波被災地で行われている復旧・復興事業と保全
24 地域復興と減災・防災対策に「海岸エコトーン」という視点を
25 復旧事業における海浜植物の保全対策― 十府ヶ浦の事例

おわりに
参考文献
編集・執筆

コラム
・沿岸域のエコトーン
・攪乱の二つの作用
・沿岸域に新しくできた湿地と干潟
・植樹による遺伝子汚染と遺伝的多様性の低下 (1)
・植樹による遺伝子汚染と遺伝的多様性の低下 (2)
・自然を開発するときの理念とルール― ミチゲーション
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