盛口満 著/安田守 写真 / 新書判 / 80ページ
ISBN 978-4-8299-0143-4 2009年6月6日発売
定価1,540円(本体1,400円+10%税)
新訂判は2023年6月より発売中
昆虫から生える奇妙なキノコ、“冬虫夏草”。セミタケ、クモタケ、ヤンマタケ他、68種について美しい生態・標本写真で紹介。有名でありながら、実際に生えている様子を観察することは少ない謎の生物と思われがちだが、ゲッチョ先生(盛口満)が「探し方」のポイントを直伝、きっと出会う確率が高くなるはず。案外身近ながら、よく知られていない生きものに出会う楽しみが味わえる一冊。
■ゆずりは(2009年SUMMER号 No.42 NEW BOOK)…(略)…冬虫夏草(虫草)は漢方薬としてよく知られているキノコの仲間である。昆虫に菌類がとりついて宿主を殺し、その栄養分を吸収して成長する。本書では日本で比較的身近な環境で見つかる68種(類似種を含めると81種)を見事な写真で紹介している。これまでに同類の図鑑がいくつか出されているが、本書では実際に野外でこれらのキノコが生えている生態写真と標本写真が全種について掲載され、形態や棲息環境、探し方などの解説を「ゲッチョ先生」として有名な盛口氏が書かれている。(中略)本書では冬虫夏草を発生環境別に4つのパターン(地生型・気生型・朽ち木型・菌生型)に分け、さらに宿主別に紹介している。なかなか野外では見つけにくいものもあるが、本書の解説を読んでいると里山や都市の公園など身の回りに近い環境にも棲息する種類があるという。これらの見つけ方のほかに、掘り出し方や標本の作り方なども掲載されているので、初心者にも気軽に楽しむことができる。